「中学校の先生って、実際どのくらいお給料をもらっているんだろう?」 「将来、安定した生活を送れるのかな?」
教員という職業に興味を持つあなたにとって、仕事のやりがいと同じくらい「年収」は気になるポイントですよね。特に、ご自身の将来のライフプランを考える上で、具体的な収入の見通しは欠かせません。
この記事では、中学校教師の年収について、以下のような疑問にすべてお答えします。
- ・平均年収や月収、手取りのリアルな金額
- ・小学校や高校の先生との年収の違い
- ・20代、30代、40代…と年齢を重ねたときの年収モデル
- ・教員の給料が決まる仕組み
- ・どうすれば年収を上げられるのか
この記事を読めば、中学校教師の収入に関する全体像が明確になり、あなたの進路選択やキャリアプランニングの大きな助けとなるはずです。
中学教師の平均年収と給料・手取り額

まずは、中学校教師の平均的な収入について、年収・月収・ボーナスといった具体的な数字を見ていきましょう。
平均年収は約695万円
総務省の「令和6年4月1日地方公務員給与実態調査」によると、公立の小・中学校教員の平均給与月額は約41.2万円です。 これをもとに計算すると、中学校教師の平均年収はボーナスを含めて約675万円となります。
- 給与月額(41.2万円)× 12ヶ月 = 494万円
- ボーナス(41.2万円 × 4.4ヶ月分)= 181万円
- 合計年収 = 約675万円
日本の給与所得者全体の平均年収が496万円であることを考えると、中学校教師の年収は比較的水準が高いと言えるでしょう。
平均月収と手取り額の目安
前述の通り、中学校教師の平均給与月額(額面)は約41.2万円です。 ただし、ここから所得税や住民税、社会保険料(共済掛金)などが天引きされるため、実際に銀行口座に振り込まれる「手取り額」は少なくなります。
一般的に、手取り額は額面の75%~85%程度と言われています。 そのため、月収40.5万円の場合、手取り額の目安は約31万円~35万円となります。
ボーナス(期末・勤勉手当)の実態
教員の世界で「ボーナス」にあたるのが、期末手当・勤勉手当です。 これらは通常、6月と12月の年2回に分けて支給されます。
支給額は人事院勧告に基づいて決定され、近年は年間で給料月額の約4.4ヶ月分で推移しています。 例えば、給料月額が35万円の教員であれば、年間のボーナスは約154万円(35万円 × 4.4ヶ月)となります。景気や社会情勢に左右されにくい公務員のボーナスは、安定した収入の大きな柱です。
給与の内訳と各種手当
中学校教師の毎月の給与は、基本給である「給料」に加えて、様々な手当で構成されています。
これらの手当が加算されることで、最終的な給与月額が決まります。
教員の年収比較│学校種別(小・中・高)

「中学校の先生は、小学校や高校の先生と比べて給料は高いの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。ここでは、学校種別による年収の違いを比較します。
小学校教師との年収比較
総務省の調査では、小学校と中学校の教員は「小・中学校教育職」として同じ区分で集計されています。 平均給与月額は約40.5万円、平均年収に換算すると約695万円です。 つまり、公立学校においては小学校教師と中学校教師の給与水準に差はありません。
高校教師との年収比較
一方、高校教師は「高等学校教育職」という別の区分になります。 同調査によると、高校教師の平均給与月額は約42.6万円で、平均年収に換算すると約730万円となります。
数字だけ見ると高校教師の方がやや高いですが、これは高校教師の平均年齢が小・中学校教師より高いことが一因です。年齢構成の違いを考慮すると、同じ年齢・経験年数であれば、給与の差はほとんどありません。
学校種による給料の差はほとんどない
結論として、公立学校の教員である限り、勤務する学校の種類(小学校・中学校・高校)によって給料に大きな差がつくことは基本的にありません。
なぜなら、どの学校種に勤務していても、同じ自治体(都道府県や政令指定都市)が定める「給料表」に基づいて給与が計算されるためです。
教員の年収推移モデル│年代・経験年数別

中学校教師の大きな魅力の一つは、経験を積むことで着実に年収が上がっていく「年功序列型」の給与体系です。ここでは、年代別の年収モデルを見ていきましょう。
※下記は各種手当を含まない、あくまで一般的なモデルケースです。
【20代】新人教員の年収モデル
大学を卒業して新卒で教員になった場合、初任給は地域によって差がありますが、月額21万円~25万円程度です。 20代のうちは、年収350万円~450万円が目安となります。 経験を積むにつれて毎年昇給していくため、20代後半には年収400万円を超えることが一般的です。
【30代】中堅教員の年収モデル
30代になると、学級担任だけでなく学年主任や研究主任など、責任ある立場を任されることも増えてきます。 給与も順調に上がり、年収500万円~650万円が目安です。 この年代になると、同世代の民間企業の平均年収を上回るケースが多くなり、生活の安定感が増してくるでしょう。
【40代】ベテラン教員の年収モデル
40代は、教員として知識・経験ともに最も充実する時期です。生徒指導や教科指導の中心的な役割を担います。 年収はさらに上昇し、年収650万円~750万円が目安となります。 多くの教員が年収700万円を超えるのがこの年代です。
【50代】管理職候補の年収モデル
50代になると、教頭や校長といった管理職への道も現実的な選択肢となります。 一般教諭のままでも昇給は続き、年収は750万円~800万円以上に達します。 管理職に昇進すれば、年収はさらに大きくアップします。
教員の給料が決まる「給料表」の仕組み

中学校教師を含む公立学校教員の給与は、「給料表」というルールに基づいて明確に定められています。この仕組みを理解すると、将来の収入を見通しやすくなります。
給与は「給料表」の等級と号俸で決定
給料表とは、公務員の給料(基本給)を定める一覧表のことです。 縦軸の「等級(級)」と横軸の「号俸(ごうほう)」という2つの要素で構成されており、自分の等級と号俸が交差するマスに書かれた金額が基本給となります。
- 等級(級) 職務の複雑さや責任の度合いを示します。一般の教諭、教頭、校長といった役職に応じて等級が分かれています。
- 号俸(号) 主に経験年数を示すものです。同じ等級の中でも、号俸が上がるほど給料が高くなります。
経験年数による号俸の上昇
教員は、原則として1年間の勤務で4号俸ずつ上昇します。これを「定期昇給」と呼びます。 つまり、大きな問題を起こさなければ、毎年着実に給料が上がっていく仕組みになっています。 この安定した昇給制度が、教員という職業の経済的な魅力の一つです。
役職による等級(級)の変化
給料を大きく上げるためには、号俸を上げるだけでなく「等級」を上げる必要があります。 一般の教諭から教頭や校長に昇進すると、適用される等級が上位のものに変わります。 等級が変わると、同じ号俸でも基本給の金額が大幅にアップするため、年収も大きく増加します。
役職・地域・設立母体による教員の年収の違い
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同じ中学校教師でも、役職や勤務する地域、学校の種類(公立か私立か)によって年収は変わってきます。
役職別(教頭・校長)の年収
管理職である教頭・校長に昇進すると、責任が重くなる分、年収も大幅にアップします。
- 【教頭の平均年収】
約850万円~950万円が目安です。一般教諭から100万円~200万円以上アップします。 - 【校長の平均年収】
約950万円~1,050万円が目安です。学校の最高責任者として、1,000万円を超える年収を得ることも珍しくありません。
都道府県別の教員年収ランキング
教員の給与は、各自治体(都道府県・政令指定都市)が条例で定めているため、地域によって差があります。 一般的に、物価や民間企業の給与水準が高い大都市圏は、教員の給与も高い傾向にあります。
総務省のデータによると、教育職(小・中学校)の平均給与月額が高い都道府県は以下の通りです。
- 東京都
- 神奈川県
- 兵庫県
- 大阪府
- 愛知県
どこで教員になるかによっても、生涯年収に差が生まれる可能性があります。
公立と私立中学校の年収の違い
これまでは公立中学校を前提に解説してきましたが、私立中学校の場合はどうでしょうか。
- 【公立中学校】
給与は自治体の給料表に基づき、安定・平等です。 - 【私立中学校】
給与は各学校法人の規定によります。そのため、学校によって年収は大きく異なります。
一般的に、有名進学校や経営状況の良い大規模な学校法人では、公立よりも高い給与水準であることが多いです。一方で、小規模な学校や経営が不安定な学校では、公立を下回るケースもあります。 私立への就職・転職を考える際は、個別の学校の募集要項をしっかりと確認することが重要です。
中学教師が年収を上げるための方法

「もっと年収を上げたい!」と考えた場合、中学校教師にはどのようなキャリアパスがあるのでしょうか。主な方法を3つご紹介します。
管理職(教頭・校長)に昇進する
最も大きく年収を上げる方法は、管理職を目指すことです。 前述の通り、教頭や校長に昇進すれば、年収は800万円、900万円、そして1,000万円へと大きくジャンプアップします。 管理職になるには、各自治体が実施する選考試験に合格する必要があります。日々の教育実践に加え、マネジメント能力やリーダーシップが求められます。
専修免許状を取得する
教員免許には、大学卒業で取得できる「一種免許状」の他に、大学院を修了することで取得できる「専修免許状」があります。 自治体によっては、この専修免許状を持っていると、一種免許状の教員よりも高い給料表が適用される場合があります。 初任給の段階で号俸が加算されるなど、生涯年収に影響するため、大学院への進学もキャリアアップの一つの選択肢です。
給与水準の高い自治体で働く
これから教員を目指す方であれば、採用試験を受ける自治体選びも重要なポイントです。 先ほど紹介したように、教員の給与は自治体によって差があります。 給与水準の高い大都市圏の自治体で採用されれば、他の地域で働くよりも高い年収を得られる可能性が高まります。
中学教師の年収に関するQ&A

最後に、中学校教師の年収に関してよくある質問にお答えします。
Q. 年収1000万円は可能か?
A. 「はい、可能ですが、簡単ではありません」というのが答えです。
公立中学校の教員が年収1,000万円を目指す場合、最も現実的な方法は校長に昇進することです。特に、大都市圏の自治体で校長になれば、到達する可能性は十分にあります。 また、有名私立中学校で幹部職に就くことでも、年収1,000万円を超えるケースがあります。
Q. 残業代は支給されるのか?
A. 原則として、教員には残業代(時間外勤務手当)は支給されません。
これは「給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)」という法律で定められています。 その代わりとして、給料月額の4%にあたる「教職調整額」が一律で支給されています。しかし、実際の残業時間に見合った額とは言えないのが現状で、教員の働き方における大きな課題の一つとされています。
Q. 部活動の顧問手当はいくら?
A. 部活動の指導は、多くの教員が担う業務ですが、その手当は決して高くありません。
文部科学省の調査によると、平日の指導は1日あたり数百円、休日の指導でも数千円程度という自治体がほとんどです。 部活動の顧問になることで、年収が大幅に上がるということはありません。多くの先生方が、生徒のためという情熱や責任感で活動を支えているのが実情です。
まとめ
今回は、中学校教師の年収について詳しく解説しました。最後に、この記事の重要なポイントを振り返りましょう。
中学校教師は、多感な時期の生徒たちの成長を間近で支える、非常にやりがいの大きい仕事です。同時に、公務員として安定した収入を得られ、将来の見通しを立てやすい職業でもあります。
この記事が、あなたのキャリアを考える上での一助となれば幸いです。



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