英語塾を開業してみたいけれど、「何から始めればいいのか分からない」「資格や資金が必要なのでは?」と悩んでいませんか?
英語力を活かして教える仕事がしたい方にとって、英語塾の開業はやりがいのある選択肢の一つです。近年は英語教育の需要が高まり、小学生から社会人まで幅広い層を対象にした英語指導のニーズが増えています。
この記事では、英語塾の開業を考えている方向けに、準備から開業後の運営・集客・収益化まで、成功のためのステップをわかりやすく解説します。自宅・テナント・オンラインなど、さまざまな形態に対応した内容なので、初めての方でも安心して開業準備ができるはずです。
英語塾を開業する魅力と将来性

英語塾は近年、教育ニーズの高まりとともに注目を集めています。 子どもの習い事としてだけでなく、受験対策や社会人のスキルアップまで、幅広い層に需要があります。ここでは、英語塾の将来性や開業のしやすさについて解説します。
なぜ英語塾は今注目されているのか?
グローバル化が進む現代社会では、英語力の重要性が年々高まっています。小学校から英語教育が導入され、大学入試や就職活動でも英語のスキルが重視される中、英語塾のニーズは確実に拡大しています。また、ビジネス英語や英会話を学びたい社会人からの需要も増加しており、子どもから大人まで幅広い層を対象にできる点も注目される理由です。
英語塾の市場ニーズと対象となる生徒層
英語塾のターゲット層は非常に広く、学習指導要領の変化や入試制度改革により、小学生〜高校生の受験対策ニーズが高まっています。さらに、留学希望者やTOEIC・英検などの資格取得を目指す学生、ビジネス英語を学びたい社会人など、ニーズは多岐に渡ります。こうした幅広い対象に対してサービスを展開できる点が、英語塾の大きな強みです。
英語塾は個人でも開業しやすい?
英語塾は他の学習塾と比べても、個人での開業が比較的しやすい分野といえます。自宅やオンラインでの指導が可能なため、物件取得費や設備投資などの初期コストを抑えることができます。加えて、英語力や指導経験があれば、資格がなくても開業が可能な点も魅力です。独自のカリキュラムや指導スタイルを構築することで、大手塾との差別化も図れます。
英語塾開業の準備ステップ

英語塾を成功させるには、開業前の準備がカギです。 ターゲット設定から教材選び、開業届の提出まで、開業までの具体的なステップを一つずつ確認していきましょう。
ターゲット設定(小学生〜社会人まで)
まず重要なのが、どの年代・ニーズを持つ生徒を対象にするかを明確にすることです。
小学生であれば「英語に親しむ習慣づくり」、中高生なら「受験・英検対策」、大学生や社会人であれば「留学準備」「TOEIC対策」「ビジネス英語」など、目的によって指導内容やアプローチが異なります。
対象を絞ることで、カリキュラムや集客方法も一貫性が生まれ、結果として生徒の満足度も高まりやすくなります。
指導スタイルの決定(個別/グループ/オンライン)
指導形態をどうするかも成功のカギです。
対面での個別指導は一人ひとりにきめ細かい対応ができる一方、グループ指導は単価を抑えて多くの生徒を指導するのに適しています。
また、近年はオンライン指導も非常に有効な手段として浸透しており、自宅にいながら全国の生徒を対象にレッスンできる点で非常に効率的です。
自身の得意分野やライフスタイルに合わせて最適なスタイルを選びましょう。
教材・カリキュラムの選定(市販教材or自作)
教材は市販のものを使う方法と、自作カリキュラムを作る方法があります。
市販教材は信頼性があり準備の手間が少ない反面、差別化が難しいことも。一方で、自作カリキュラムは独自性を打ち出せるためブランディングに効果的ですが、作成には時間と工夫が必要です。また、指導対象によっても選ぶべき教材が異なりますので、ターゲット設定とあわせて選定を進めると良いでしょう。
開業届の提出と個人事業主登録の流れ
英語塾を個人で開業する際は、まず税務署に「開業届」を提出しましょう。これにより、正式に個人事業主として活動できます。開業届は紙での提出のほか、国税庁の「e-Tax(イータックス)」を使えばオンラインでの提出も可能です。また、あわせて青色申告を選択すれば、節税面でも有利になります。開業届の提出は、事業用口座の開設や各種契約にも有効で、信頼性向上にもつながる重要なステップです。
英語塾の開業に有利な資格とは?

英語塾の信頼性を高めるうえで、資格やスコアは大きな武器になります。 ここでは、開業に役立つ代表的な資格や、それらがどのように評価されるかを紹介します。
英検・TOEICなどのスコアは信用につながる
英語力を示す代表的な指標として、「英検」や「TOEIC」のスコアがあります。特に英検準1級以上やTOEIC800点以上を取得していると、生徒や保護者からの信頼感が高まる傾向があります。
これらのスコアは履歴書に記載できるだけでなく、ホームページやチラシでも実績としてアピールしやすいため、集客面でも有利に働きます。自分の強みとして活用するためにも、数値として明確に伝えることがポイントです。
教員免許・TESOL・CELTAなど専門資格
もし教員免許を持っていれば、「指導のプロ」としての信頼が格段にアップします。また、TESOL(英語を母語としない人への英語教授法)やCELTA(ケンブリッジ大学認定の英語教授資格)など、英語教育に関する専門資格も非常に効果的です。特に社会人や留学希望者をターゲットにする場合、こうした国際的な資格が大きな強みになります。資格を持っていれば、塾のブランディングにも活用できるため、ぜひ積極的に発信していきましょう。
資格がなくても開業は可能?
実は、英語塾を開業するのに資格は「必須」ではありません。特別な資格がなくても、英語力や指導力があり、生徒に満足してもらえる授業ができれば、問題なくスタートできます。
また、実績や口コミが蓄積されていけば、自然と信頼が集まり集客にもつながります。
ただし、資格があれば競合との差別化や安心感の提供につながるため、「必須ではないがあると有利」という位置づけで考えるのが現実的です。
開業に必要な資金と設備

英語塾の開業には、ある程度の初期費用が必要です。 自宅やオンラインでの開業なら低コストで始めることも可能。設備や備品も含めて、必要な資金の目安を見ていきましょう。
英語塾の開業費用の目安
英語塾の開業にかかる費用は、指導形態(自宅・テナント・オンライン)によって大きく異なります。
目安としては以下の通りです:
・自宅開業型:5万~30万円程度(教材・備品・広告費など)
・テナント開業型:50万~200万円程度(物件取得費、内装、備品、広告費など)
・オンライン型:5万~15万円程度(PC・ヘッドセット、通信環境、ツール導入など)
特に初期費用を抑えたい場合は、自宅またはオンラインから始めるのが現実的です。
いずれにしても、最初に無理のない資金計画を立てておくことが継続の鍵になります。
自宅・テナント・オンライン、どこで始める?
それぞれの形態にはメリット・デメリットがあります:
・自宅開業:
初期費用が安く済みますが、生活空間との切り分けや騒音対策が課題になります。
・テナント開業:
教室の雰囲気をつくりやすく、生徒・保護者への印象も良いですが、家賃や内装費がかさみます。
・オンライン開業:
コストが最小限で済み、場所に縛られず全国から生徒を集められる反面、信頼構築や満足度維持に工夫が必要です。
ターゲット層やご自身のライフスタイル、資金状況に合わせて最適なスタイルを選びましょう。
設備・備品(ホワイトボード・ヘッドセットなど)
必要な設備は開業形態によって異なりますが、代表的な備品は以下の通りです:
・共通:
教材・参考書、筆記用具、名簿・管理ツールなど
・自宅・テナント型:
ホワイトボード、机・椅子、掲示物、時計、空気清浄機など
・オンライン型:
PCまたはタブレット、ヘッドセット、Webカメラ、安定したインターネット回線、ZoomやGoogle Meetなどのビデオ会議ツール
特にオンライン指導では、音声や画面共有の質が授業の満足度に直結するため、通信・音声環境への投資は惜しまないようにしましょう。
集客のコツ|英語塾ならではのポイント

開業後に生徒を集めるためには、英語塾ならではの戦略が必要です。 自塾の強みを打ち出し、信頼と魅力を伝えることで、効率的に集客につなげることができます。
「英語専門」の強みをどう打ち出すか
英語塾は「英語に特化している」こと自体が大きな差別化ポイントになります。
その強みをしっかり伝えるには、以下のような工夫が効果的です:
・指導スコープを明確にする:受験対策/日常英会話/英検・TOEIC対策など
・専門性を見せる:講師の資格(例:TOEIC900点以上、TESOL取得)や指導実績
・英語を学ぶ楽しさを伝える:英語劇・プレゼン発表・海外との交流イベントなども魅力に
ただ「英語を教える塾」ではなく、「〇〇ができるようになる英語塾」として見せることが、選ばれる鍵になります。
無料体験・SNSでの実績アピール
英語塾を検討する保護者・生徒は、まず「どんな授業か?」を体験したいと思っています。
そのため、無料体験授業は必須の施策です。
・初回体験では「英語が話せた!わかった!」という達成感を演出
・授業の様子や成果は、Instagram・X・YouTubeで発信
・成績UPのビフォーアフターや、生徒の声をビジュアル化するのも効果的
特に英語は「成長が見えにくい教科」とされがちなので、成果の可視化が集客を左右します。
地域や対象年齢に応じた訴求の工夫
英語塾といっても、地域や対象によって求められるものは異なります。
・小学生向け:英語への親しみ・楽しさ・音声中心の指導
・中高生向け:定期テスト対策・受験指導・内申UPへの貢献
・社会人・保護者向け:実用英会話・ビジネス英語・旅行英語など
また、都市部と地方では競合状況も大きく違うため、地域密着型のコミュニケーション(フリーペーパー、近隣店との連携など)も併用すると効果的です。
英語塾の収益モデルと年収の目安

英語塾は収益構造がシンプルで、工夫次第で高収入も目指せます。 ここでは、料金設定の考え方や年収モデルについて具体的に解説します。
料金設定の考え方(単価×人数)
英語塾の売上は、基本的に「1回あたりの受講料 × 生徒数 × 月の授業回数」で成り立ちます。 たとえば、月4回・1回あたりの授業料が5,000円で、生徒が20人いれば月売上は 40万円 です。
料金設定をする際には、以下のような視点が重要です:
・対象層の相場(小学生〜社会人など)
・グループか個別か(個別は単価が高め)
・オンラインか対面か(オンラインはコスト削減可能)
また、入会金・教材費・季節講習などのオプション収益も想定すると、安定経営が見えてきます。
個人・少人数制の強みを活かす収益モデル
大手塾と比べて個人経営の英語塾は、生徒数で勝負しにくい分、高い満足度と定着率で勝負する必要があります。
具体的な収益モデルの一例:
・月謝:8,000円(週1回60分)
・生徒:15名
・売上:12万円/月(年収ベースで144万円)
このままでは副業レベルですが、下記の工夫で売上を伸ばせます:
・複数コース(週2コース/検定対策など)の設置
・グループ授業と個別授業の併用
・家族割や紹介キャンペーンによる入会促進
少人数制でも単価アップ×高継続率の設計をすることで、十分に事業として成り立ちます。
英語塾で年収1,000万円は目指せる?
英語塾で年収1,000万円を目指すことは可能です。ただし、そのためには一定の規模と戦略が必要になります。
▼1,000万円を目指すモデル例(対面・個人経営の場合):
・生徒数:50人
・月謝:2万円(週2回授業)
・月売上:100万円 → 年間売上:1,200万円
ここから家賃・教材費・広告費などを差し引いても、十分に年収1,000万円が見えてきます。
オンライン中心であればコストを抑えやすいため、生徒数30人程度でも可能。 いずれにせよ、収益と時間のバランスをどう取るかが重要なポイントです。
失敗しない英語塾経営のために

英語塾経営には落とし穴もあります。 よくある失敗例や継続率を上げる工夫、競合との差別化のアイデアを知っておくことで、長く続く塾づくりが可能になります。
よくある失敗例とその対策
英語塾の開業でよくある失敗には、以下のようなものがあります:
・対象を絞りきれず、訴求がぼやける
→ 対象学年・目的(受験/資格/趣味)などを明確にする必要があります。
・価格とサービスのバランスが悪い
→ 高価格でも満足度が高ければ継続率は上がる。価格帯に見合った価値提供をする必要があります。
・集客戦略が一辺倒
→ SNS、ポータル、チラシ、紹介など複数チャネルを併用する必要があります。
・準備不足でスタートしてしまう
→ 開業届の提出や教材準備、カリキュラム設計は念入りに行いましょう。
失敗を避けるためには、市場調査と事前準備、そして柔軟な改善力が必要不可欠です。
継続率を高める保護者・生徒との関係構築
英語塾において、退会を防ぐこと=売上を守ることに直結します。
そのためには、保護者や生徒との信頼関係が非常に重要です。
・定期的な面談・進捗報告
・保護者向けLINEやメールでのこまめな情報共有
・成果を“見える化”してモチベーションアップ
また、生徒自身にも「自分の成長が実感できる仕組み(例:目標設定・振り返り表)」を導入すると、自発的な学びにつながり、定着率も向上します。
競合との差別化をはかるアイデア
英語塾は競合が多いため、「何がウチの魅力なのか」を明確に打ち出す必要があります。
差別化のアイデア例:
・◯◯専門:英検専門/帰国子女向け/大人英会話など
・講師の実績:海外経験、バイリンガル講師、資格など
・学び方:AI英語教材との併用/発音矯正特化 など
「どこにでもある塾」ではなく、「この塾しかない価値」を提示することで、価格競争に巻き込まれずに選ばれる存在になれます。
英語塾開業に使える補助金・助成金

英語塾の開業でも、条件を満たせば公的支援を受けられます。 小規模事業者向けの補助金や、地域の創業支援制度など、活用できる制度を把握しておきましょう。
小規模事業者持続化補助金
英語塾を個人で開業する場合、「小規模事業者持続化補助金」は非常に有力な選択肢です。
この制度は、チラシ制作やホームページ作成、教室の改装、設備投資などの販路開拓費用を補助してくれる制度で、最大で50万円〜100万円(条件により変動)を受け取れるチャンスがあります。
特に開業初期は集客活動が不可欠なので、この補助金で広告費やウェブ施策の費用をカバーできると、負担が大きく軽減されます。
申請には事業計画書の作成が必要なので、商工会議所に相談しながら準備を進めましょう。
地域の創業支援制度
自治体によっては、創業を後押しする独自の補助金や支援制度を設けているケースがあります。
たとえば:
・開業資金の一部補助(上限20万〜50万円など)
・無利子または低利の創業融資制度
・起業家向けの無料セミナー・ビジネスマッチング
地域によって支援内容は異なるため、「◯◯市 創業支援」「◯◯市 起業 補助金」などで調べておくと有利にスタートを切れます。
英語教育の推進を支援する制度はある?
英語教育に関連する支援制度は、一般的な創業支援に比べて限定的ですが、一部の自治体では英語学習支援やグローバル人材育成を掲げた助成プログラムを展開していることがあります。
たとえば:
・子ども向け英語教育支援プロジェクト
・地域の語学教育促進モデル事業 など
これらは時期・地域によって変動するため、自治体の教育委員会や商工会議所に直接問い合わせるのが確実です。
まとめ
英語塾の開業は、個人でも始めやすく、かつ安定した需要が見込めるビジネスです。小学生から社会人まで幅広いニーズがあり、指導スタイルや対象層を明確にすれば、自分だけの強みを活かした塾経営が可能になります。
開業にあたっては、しっかりとした準備と戦略的な集客がカギ。特に、英語塾ならではのブランディングや指導方針を打ち出すことが、生徒・保護者からの信頼を得る第一歩です。
また、補助金や助成金を活用すれば、初期費用の負担を軽減しながら事業を軌道に乗せることも可能です。資格や経験があればより有利になりますが、「英語を教えたい」「子どもたちの力になりたい」という熱意が何よりも大切です。
英語塾の開業を成功させるには、常に改善を重ねながら信頼と実績を築いていくこと。ぜひ本記事を参考に、一歩踏み出してみてください。
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