インターンの募集要項では「服装自由」などと曖昧に記載されているケースが多く、参加時の服装に悩む学生も少なくありません。企業ごとの雰囲気や業界の慣習に応じた適切な服装を選ぶことは、第一印象を左右する重要なポイントです。
この記事では、インターンに参加する際の服装の基本マナーや業界別の選び方について、わかりやすく解説します。「私服でいいの?」「スーツの方が無難?」と迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
インターンの服装はどう選ぶ?基本マナーと判断基準

インターンの案内に「服装自由」「私服でお越しください」と書かれていても、実際に何を着ていけばよいのか迷う方は多いのではないでしょうか。ここでは、スーツと私服のどちらを選ぶべきかの判断基準と、よく使われる「オフィスカジュアル」の具体例、さらには自由指定の際に気をつけたいポイントについて詳しく解説します。
スーツか私服かを見極める3つのポイント
インターンにおける服装は企業によって大きく異なるため、事前に適切な服装を見極めておくことが大切です。スーツか私服かを判断する際は、以下の3つのポイントを参考にしましょう。
①業界の傾向を見る
たとえば、IT業界やベンチャー企業では「服装自由」を掲げている企業が多く、私服でも問題ない場合が多く見られます。一方、金融やコンサルなどの業界ではスーツが基本のケースが一般的です。
②企業文化・社風を確認する
自由な雰囲気の企業や、形式にとらわれない文化を大切にしている企業では、服装も比較的カジュアルでOKなことがあります。SNSや社員インタビューなどから企業の雰囲気をつかむのも一つの方法です。
③募集要項の記載内容をよく読む
「服装自由」と書かれていても、職場見学や社員との交流がある場合などは、スーツの方が無難なこともあります。記載文に「オフィス見学あり」などの注意書きがあれば、TPOを意識してスーツを選ぶ方が安心です。
迷ったときは、事前に企業に問い合わせるか、オフィス訪問を想定した清潔感のある服装を選ぶとよいでしょう。
オフィスカジュアルとは?定義と具体例
オフィスカジュアルとは、スーツほど堅くはないものの、きちんと感を保ったビジネス向けの私服スタイルのことです。スーツと私服の中間にあたる服装で、近年では多くの企業がオフィスカジュアルを推奨しています。
男性の例
・襟付きシャツ(ポロシャツ・ボタンダウン)+チノパン
・無地のTシャツやカットソーにジャケットを合わせたスタイル
女性の例
・ブラウスやニットにパンツ・スカートを合わせたスタイル
・落ち着いた色味のワンピースやカーディガンを組み合わせたコーディネート
色味は黒・白・ネイビー・ベージュなどのベーシックカラーを中心にまとめると、ビジネスシーンでも浮かず、印象も良くなります。
「私服指定」や「服装自由」と言われたときの注意点
「服装自由」や「私服OK」と言われた場合でも、TPO(時・場所・場合)をわきまえた服装を心がけることが大切です。
特に注意したいポイントは以下の通りです。
清潔感のない服装はNG
シワや汚れのある服、ヨレヨレのTシャツなどは避けましょう。
派手すぎるデザインや柄は避ける
ビジネスシーンでは落ち着いた色味・デザインの服が好まれます。
露出の多い服装は控える
肩が出るトップスや短すぎるスカート、サンダルなどはビジネスには不向きです。
服装自由といっても「誰に見られても恥ずかしくない」ことが前提です。迷ったら「シンプル・清潔・落ち着いた印象」を基準にコーディネートを考えましょう。
男女別|インターンの服装マナーとNG例
男性と女性では、インターンでの服装における注意点や迷いやすいポイントが異なります。ここでは、男女別におすすめの服装例やNGなパターンを紹介し、最後に身だしなみや持ち物なども含めたチェックリストを紹介します。
男性のおすすめコーデと避けたい服装
スーツ着用が求められるインターンでは、無地でシンプルなデザインの「リクルートスーツ」が基本とされています。黒や紺など落ち着いた色合いが選ばれることが多く、シャツは白のYシャツを合わせると清潔感が出ます。
オフィスカジュアルが推奨されている場合は、下にグレー・ベージュ・黒などのスラックスやチノパンを、上には体にフィットした襟付きシャツを選ぶと好印象です。ジャケットを羽織る場合は、インナーは白や薄いブルーなどシンプルな色味が無難です。
一方で、ロゴ入り・派手な柄のシャツやネクタイ、派手な色合いのアイテム、スニーカーやサンダルなどのカジュアルすぎる靴は、ビジネスの場には不向きとされています。
女性のおすすめコーデと注意すべき点
女性もスーツ着用が求められる場面では、基本的に黒の無地リクルートスーツを着用するのが一般的です。スカート・パンツのどちらでも問題ありませんが、落ち着いた印象を与えるデザインを選ぶことが大切です。
服装自由のインターンであっても、ワンピーススーツやブラウスとスラックスを組み合わせたスタイルなど、清潔感とビジネスマナーを意識した服装が好まれます。
避けるべき服装としては、派手な色や装飾が多い服、過度な露出があるスタイルなどが挙げられます。特にインターンは「ビジネス現場の一員」として見られる場面が多いため、信頼感と誠実さを伝える服装が求められます。
身だしなみ・持ち物のチェックリスト(靴、時計、髪型など)
インターン当日は、服装だけでなく身だしなみや持ち物もチェックされる要素です。以下に、最低限おさえておきたいポイントを紹介します。
身だしなみのポイント
✅フケや寝癖がなく、髪は整っている
✅前髪が目や眉にかかりすぎておらず、表情が見える状態
✅髪色は地毛や黒・暗めの茶色など、自然で落ち着いたトーン
✅男性の場合は、ひげを剃って清潔感を保つ
✅ネイルはせず、爪は短く清潔に整える
✅女性は、濃すぎないナチュラルメイクが基本
持ち物のチェックリスト
✅黒や紺などシンプルなビジネスバッグ
✅筆記用具や手帳(柄が派手すぎないもの)
✅スマートフォン(画面が割れていない、ケースが目立ちすぎない)
✅派手すぎない、落ち着いたデザインの腕時計
業界・職種別で浮かない服装の選び方
インターンの服装は、業界や職種によっても求められる印象が異なります。ここでは、スーツが基本の業界と私服が主流の業界に分けて、それぞれの服装傾向や選び方のポイント、さらに企業文化を調べるリサーチ方法について解説します。
金融・商社・不動産など「スーツが基本」の業界
金融、商社、不動産などの業界では、インターンにおいてもスーツの着用が基本とされています。男女問わずリクルートスーツを選ぶのが無難であり、色は黒や紺などの落ち着いたもの、柄は無地または控えめなものが適しています。サイズやデザインについては、紳士服店やスーツ専門店に相談しながら選ぶと安心です。
こうした業界では、清潔感がありTPOをわきまえた服装が重視されます。派手なアクセサリーや場にそぐわない服装は、担当社員に悪い印象を与える可能性があり、今後の選考に影響を及ぼすこともあるため注意が必要です。
IT・ベンチャー・広告など「私服OK」の業界の考え方
IT、ベンチャー、広告業界などでは、「私服OK」とする企業が多く見られます。これは、自由で開放的な職場づくりや、従業員の個性・多様性を尊重する企業文化の一環とされています。変化への対応が求められる業界や、新たな価値観を取り入れるベンチャー企業に多く見られる傾向です。
実際の職場では、オフィスカジュアルやスーツなどさまざまな服装が見受けられますが、いずれの場合も「清潔感を大切にし、華美すぎない服装を心がける」ことがマナーとなっています。
服装に迷ったときにできる“企業リサーチ”方法
インターンに参加する際、服装選びで浮いてしまわないようにするためには、事前の企業リサーチが有効です。以下に、服装を判断するための具体的な方法をご紹介します。
まず確認したいのは、インターンの募集要項です。ただし、「服装自由」など曖昧な表現で記載されていることも多く、それだけで判断するのは難しい場合があります。
次に参考になるのが、企業の経営理念や経営方針です。たとえば「自由な発想を重視している」「風通しのよい職場を目指している」といった表現があれば、私服が許容されている可能性が高いと考えられます。
また、企業の公式SNSやYouTubeチャンネルなどで、社員がどのような服装で働いているかを確認することも有効です。私服で勤務する様子が見られれば、インターンでも私服が受け入れられる可能性があります。
一方で、官公庁のインターンについては判断が比較的明確です。原則としてスーツの着用が求められますが、環境省のようにクールビズが推奨されている期間中であれば、国や自治体の機関でも軽装が許可される場合があります。そのため、「スーツまたはクールビズ」のいずれかで考えると安心です。
季節別・天候別|快適に過ごす服装の工夫
インターンでは、長時間の移動や室内での活動もあるため、季節や天候に応じた服装の調整も重要です。ここでは、夏・冬・雨の日などそれぞれの気候に合わせた服装のポイントや、快適さと清潔感を両立する工夫について詳しく解説します。
夏インターンの暑さ・汗・ニオイ対策
夏期のインターンでは、暑さや汗、ニオイへの対策が重要です。気温が高い日は、通気性の良い素材を選び、冷感インナーや冷却スプレーなどを活用すると快適に過ごせます。制汗スプレーや汗拭きシートも有効ですが、スプレー缶の持ち歩きには気温上昇による破裂リスクなど十分な注意が必要です。
また、ニオイ対策としては、ほのかな香りの制汗剤やフレグランスを使うとよいでしょう。ただし、香りが強すぎると職場での印象が悪くなる可能性もあるため、控えめな使用を心がけることが大切です。
冬インターンの寒さ・乾燥・重ね着のコツ
冬期のインターンでは、寒さや乾燥への備えが欠かせません。防寒対策としては、ヒートテックなどのインナーを2枚程度まで重ねることで、着ぶくれを抑えつつ保温性を高めることができます。コートはフォーマルな印象を与える厚手のロングコートがおすすめで、色は黒やネイビーなど落ち着いたものが望ましいです。マフラーも同様に、控えめな色や柄を選びましょう。
さらに、乾燥による肌荒れにも注意が必要です。肌が荒れていると不潔な印象を与える可能性があるため、保湿クリームなどでスキンケアを行い、清潔感を保つことが大切です。
雨の日・台風時の足元・傘・替え対策
雨天時や台風の日のインターンでは、服装や持ち物の準備が重要になります。足元には防水性のある靴を選ぶと、長時間の業務中も快適に過ごすことができます。スーツの上から着用できるレインパンツを併用することで、下半身全体の濡れを防ぐことが可能です。また、替えの靴下を用意しておくと安心です。
傘はロゴ入りや派手なデザインを避け、黒や紺、または無地のビニール傘など目立たないものを選びましょう。さらに、髪やカバンが濡れてしまった際に備えて、小さなタオルも携帯しておくと実用的です。
オンラインインターンの服装と背景マナー
オンライン形式のインターンでは、画面に映る範囲の印象がそのまま第一印象になります。ここでは、画面映えを意識した服装の選び方や、背景・音声・カメラ位置など周辺環境の整え方まで、オンラインならではのマナーを解説します。
画面に映る部分だけ?オンライン面接の服装ルール
オンラインインターンや面接に参加する際は、画面に映る上半身の見え方を重視することが大切です。通常、ノートパソコンのカメラでは顔から肩あたりまでが映るため、ジャケットやシャツの印象がそのまま評価に直結します。ただし、見えていない下半身も油断は禁物です。突発的なトラブルで立ち上がる場面がある可能性もあるため、全身をビジネスにふさわしい服装で整えることが望ましいでしょう。部屋着や派手な柄物などは避け、対面の場面と同様にTPOを意識した装いを心がけてください。
背景・カメラ映り・音声などの見落としがちな注意点
オンラインインターンでは、服装だけでなくカメラ映りや音声などの環境面にも配慮が必要です。背景は、白い壁や無地のカーテンの前などシンプルな場所を選ぶか、Zoomのバーチャル背景機能を活用すると清潔感を演出できます。散らかった部屋が映ると、だらしない印象を与えてしまう可能性があります。
また、カメラは顔から肩までが自然に収まる角度に調整し、明るすぎず暗すぎない照明で顔が見やすい状態を保ちましょう。音声についても、マイクとの距離が近すぎると音割れの原因になり、遠すぎると聞き取りづらくなります。安定した音質を確保するためには、イヤホンマイクの使用が推奨されます。
「浮いた」「やらかした」服装ミス実例と対策

実際にインターンへ参加した学生の中には、「服装で浮いてしまった」「社員の方に注意された」といった経験をした方も少なくありません。こうした事例は誰にでも起こり得るものです。ここでは、服装に関するリアルな失敗談を紹介しながら、同じミスを繰り返さないための対策を解説します。
実際にあった「服装失敗例」3選
服装で失敗してしまう理由の多くは、「私服OK」や「服装自由」といった曖昧な指示による思い込みや準備不足にあります。よくある失敗例として、まず「派手な色や柄のシャツで浮いてしまった」という声があります。特にビジネスの場にふさわしくないカジュアルすぎる服装は目立ちます。また、「シャツがシワだらけでだらしない印象を与えた」という例もあります。見た目の清潔感が欠けていたことで、周囲からの印象が悪くなったケースです。さらに、「私服OKと書かれていたためTシャツとジーンズで行ったら他の参加者は全員スーツだった」というケースもありました。誤解を防ぐためには、服装選びに慎重さが求められます。
「次はこうすればよかった」先輩のアドバイス
先輩たちの失敗談には、多くの学びがあります。たとえば「派手なシャツで浮いた」経験者は、「白シャツや落ち着いた色味を選べばよかった」と振り返ります。また、シャツのシワが目立ったという学生は、「前日夜にアイロンをかけておくか、形状記憶タイプのシャツを選べば防げた」と話しています。Tシャツで参加してしまったケースでは、「私服OKとあっても、最低でもジャケットを羽織るべきだった」との反省がありました。共通するアドバイスとして、「迷ったときはスーツやオフィスカジュアルで行くのが無難」「事前に企業の雰囲気を調べておくべき」という意見が多く寄せられています。服装は第一印象に直結するため、慎重な準備が成功への鍵となります。
「迷ったらこの服装」テンプレートで解決!
インターンの服装で悩んだときは、「無難で清潔感のあるスタイル」を選ぶことが安心です。以下に男女別の定番テンプレートを紹介します。
男性のテンプレート例
・紺またはグレーのブレザー
・白または淡いブルーのシャツ(無地)
・黒またはベージュのスラックス
・革靴(黒またはダークブラウン)
女性のテンプレート例
・黒またはネイビーのジャケット
・白やベージュのブラウス(装飾の少ないもの)
・ひざ丈スカートまたはテーパードパンツ
・シンプルなパンプス(ヒール3〜5cm程度)
これらの服装は、どの業界・企業でも違和感がなく、TPOに合った印象を与えることができます。迷ったときの“鉄板スタイル”として覚えておきましょう。
まとめ
インターンの服装に迷った際は、まず基本的なマナーや清潔感を大切にしながら、志望業界や企業文化に合った服装を選ぶことが重要です。募集要項の確認に加え、社員の服装や社風も参考にすると安心です。TPOに合った装いを心がけ、好印象を与えられるよう準備を整えましょう。
コメント