インターンシップのエントリーでは、多くの企業が「志望動機」を重視していますが、「何を書けばいいかわからない」「他の人と差をつけたい」と悩む方も多いのではないでしょうか。
志望動機は、あなたの意欲や将来のビジョンを伝える大切な項目です。少し工夫するだけで、印象はぐっと良くなります。この記事では、志望動機の書き方や考え方だけでなく、当社で実際に採用された志望動機例や企業に響く+αの工夫まで、わかりやすく解説します。
インターンシップで志望動機が重要な理由とは?

そもそも、なぜインターンシップで「志望動機」が重要なのでしょうか?ここでは、その理由を3つの視点で解説していきます。
志望動機で「意欲」や「目的意識」を見られているから
企業の採用担当者は、志望動機を通じて学生の「本気度」や「目的意識」を見ています。どれだけ熱意があるか、なぜその企業や業界を選んだのか、インターンで何を学びたいのかといった内容から、「この学生は前向きに取り組んでくれそうか」を見極めるためです。志望動機に説得力がある学生は、事前準備がしっかりできている印象を与えられるため、短期間のプログラムであっても評価につながる可能性が高まるでしょう。
志望動機の質が合否の33%を占めているから
企業が選考で重視しているのは、「人柄」「能力」「志望動機」の3要素だと言われています。中でも志望動機は、事前準備や文章の工夫で差をつけやすく、3つの中で最も改善しやすいポイントです。志望動機が浅いと、「何となく応募している」と受け取られる可能性もあるため、しっかり対策しておくことが重要です。逆にここを丁寧に書ければ、他の学生より一歩リードできるアピールポイントになります。
本選考にも活かせる自己分析・企業理解の“土台”になるから
インターンの志望動機を考える過程で、自己分析や企業研究を深めることができます。これは、就職活動の本選考においても非常に重要なステップで、一度整理しておけば志望動機や自己PRの軸がぶれにくくなり、エントリーシートや面接にも活かせます。将来のためにも、早いうちから準備しておくことに大きな意味があるでしょう。
志望動機を書く前にやるべき3つの準備
志望動機を書く前には準備が欠かせません。ここでは、事前に行うべき3つの準備について解説します。
企業研究・業界研究で方向性を定める
インターンの志望動機を作成するうえで、まず必要なのが企業研究と業界研究です。企業理念や事業内容、業界の特徴を理解しておくことで、自分の関心とどうつながるかを説明しやすくなります。また、企業側の求める人物像に合った動機を書くことができれば、読み手にも響きやすくなるでしょう。何となくのイメージで選ぶのではなく、具体的な理由が語れるように下調べしておくことが大切です。
自分の経験や強みを棚卸しする
企業や業界の情報を集めるのと同時に、自分自身についても整理しておくことが重要です。過去に頑張ったこと、得意なこと、印象的だった経験などを振り返ってみましょう。志望動機には、「なぜ自分がその企業に合うのか」や「どんな力を発揮できるのか」といった視点が求められます。経験と結びついたストーリーがあれば、より具体的で説得力のある志望動機になるはずです。
「なぜこのインターンか」を明確にする
多くの企業がインターンを実施する中で、なぜその企業に応募するのかをはっきりさせておくことは非常に大切です。「企業の方針や事業に共感した」「このインターンで学びたいことがある」など、他の企業ではなく“その企業”を選んだ理由を明確にしておくことで、動機に説得力が生まれます。数あるインターンの中から選んだ理由をしっかり言語化することが、他の応募者との差をつけるポイントになるでしょう。
志望動機の構成テンプレートと書き方のコツ

ここでは、志望動機の構成テンプレートと書き方のコツをご紹介します。
基本構成について
志望動機は、「理由」「根拠」「目的」の3ステップで構成すると、自然な流れで伝わる文章になります。
最初にインターンに応募しようと思った理由(関心)
→次に、その背景にある自分の経験や考え(エピソード)
→最後に、インターンを通じて達成したいこと(目的)を整理しましょう。
このテンプレートを意識することで、読み手にも意図が伝わりやすく、短い文字数でも説得力を持たせることができます。
・理由
まずは「なぜインターンに参加したいのか」を簡潔に書き、興味を持ったきっかけや関心のある分野に触れましょう。
・根拠
続いて、その理由を裏付けるエピソードや経験を示しましょう。自分の言葉で、具体的に書くことが大切です。
・目的
最後に、その企業でのインターンを通じて何を学びたいか、どのように成長したいかを明確に記述しましょう。
よくあるNG例と改善ポイント
ありがちなNG例としては、「貴社の理念に共感しました」「なんとなく業界に興味がある」といった抽象的すぎる表現です。これでは他の企業にも通用してしまい、印象に残りません。改善するには、「理念のどの点に共感したのか」「なぜその業界に関心があるのか」を、自分の経験と紐づけて書くことが重要です。具体性とオリジナリティを意識することで、説得力のある志望動機になります。
【タイプ別】インターン志望動機の考え方のコツ
続いて、インターンのタイプ別志望動機の考え方のコツを5パターンご紹介します。例として、当社のような教育業界のインターンシップ参加を仮定した場合の志望動機を考えてみましょう。
業界研究目的の場合
「教育業界についてもっと深く知りたい」という動機は、インターンへの志望動機として王道です。
例えば「将来は子どもの成長を支える仕事に就きたい」という思いから教育業界に関心を持ち、その中でも“現場での学び”を大切にしている貴社に魅力を感じた、といった形です。教育に対する好奇心や学びの姿勢を示すことができれば、業界研究目的であっても十分に企業側の評価対象となります。
スキルアップ目的の場合
「コミュニケーション力や指導力を高めたい」といったスキルアップ目的も、前向きな志望動機として評価されます。
特に、教育支援の現場を多く抱えるような企業では、「成長意欲があり、素直に学べる学生」が求められる傾向があります。志望動機では、身につけたいスキルとその背景、自分の課題意識や目標を明確にしたうえで、「だからこの企業を選んだ」というつなぎ方が効果的です。
将来のキャリア形成が目的の場合
「将来は人の成長を支える仕事がしたい」というキャリアビジョンに基づく志望動機は、企業側に強い意欲を印象づけることが可能です。
教育系企業では、生徒だけでなく講師自身の成長も重視しており、責任感を持って学び続ける方が求められています。志望動機では、将来像を示したうえで、その第一歩としてどんな経験を積みたいかを明確に伝えることで、実現可能性の高い意欲ある学生として評価されやすくなるでしょう。
文系/理系の場合
文系・理系それぞれの強みを活かした志望動機も有効です。文系であれば「言語化能力や思考の柔軟性を活かしたい」、理系であれば「論理的に物事を伝える力を実践で試したい」など、専攻分野と教育現場の接点を意識して構成しましょう。
多様な子どもたちと向き合う教育現場では、どんな学部でも“子どもに真摯に向き合える人間”が求められます。学部を超えた姿勢や意欲も立派なアピール材料の1つです。
長期インターンの場合
長期でも短期でも、基本的には志望動機は変わりません。ただ、長期インターンでは継続性や主体性がより重視される傾向があるため、「なぜこの企業なのか」「どのように自分が貢献したいのか」といった視点がより重要になります。
教育現場の場合、例えば「継続的に子どもと関わり、成長をサポートしたい」といった想いなどを伝えられれば、企業とのマッチ度を高めることができるでしょう。責任感をもって臨む姿勢が重要です。
当社で実際に採用された志望動機例
より具体的な文章として、当社で実際にインターンシップの選考を通過した学生の志望動機の一部をご紹介します。
大学3年生 Aさん
私は、「人の課題を解決する仕組みづくり」に携わりたいという思いから、教育領域のマッチング事業を行う貴社のインターンシップに参加したいと考えております。 大学でマーケティングを学ぶ中で、“モノを売る”という行為そのものよりも、ニーズに合った価値を届けるプロセスに魅力を感じるようになりました。教育という領域で、“学びたい”と“教えたい”のマッチングを行う貴社に強く惹かれており、特に生徒と講師のミスマッチを防ぐために面談やヒアリングを徹底している点に、教育の質への強いこだわりを感じております。 このインターンでは、実際に保護者や生徒のニーズがどう可視化され、それがどうマッチング施策に活かされているのかを体験的に学ばせていただきたいです。 |
採用者の視点(惹かれたポイント)
・ビジネス視点で教育を捉えている点が印象的だった。 ・当社の“人と人をつなぐ”サービスにマーケティング的関心を持ってくれているのが新鮮だった。 ・マッチング精度の裏側にあるプロセスを学びたいという姿勢が、現場への理解意欲として評価できた。 |
大学2年生 Bさん
私は、一人ひとりに合った“最適な学び”を届ける教育のあり方に関心を持ち、貴社のインターン参加を志望いたしました。 アルバイトで小中学生の学習支援をするうちに、一人ひとりの理解度や性格に応じた教え方が必要だと実感し、教育における“個別最適化”の可能性に興味を持ち始めました。 貴社は、家庭教師のマッチング業務だけにとどまらず、「講師の質」や「ご家庭との相性」に重きを置いている点に、他社とは違う深い教育理念を感じました。私はこのインターンを通じて、生徒一人ひとりに本当に合った指導を届けるために、どのような仕組みや努力があるのかを現場で学び、将来のキャリアにも活かしたいと考えています。 |
採用者の視点(惹かれたポイント)
・「アルバイトでの学習支援」など、自身の体験を通して教育業界に関心を持ったという文脈に、熱意とリアリティが伺えた。 ・表面的な志望理由ではなく、当社独自の強みに注目している点が好印象だった。 ・「仕組みや努力を現場で学びたい」というフレーズから、実務に積極的に関わりたいという意志が伝わり、主体的に動ける学生だと感じた。 |
大学3年生 Cさん
私は将来、子どもの発達や特性に寄り添える教員になりたいと考えており、その理念を大切にしている貴社のインターンに魅力を感じ、志望いたしました。 教育現場のリアルな内情を調べれば調べるほど、学校教育だけでは対応しきれない部分が沢山あることを思い知らされる中で、次第にフリースクールのような“もう1つの学びの場”に興味を持ち始めました。 貴社が生徒一人ひとりの個性を大切にしながら、学力面だけでなく人間関係の悩みにも耳を傾けた教育を行っていることを知り、現場での対応力をぜひ学ばせていただきたいと考えております。このインターンを通じて、学校では得られない「1対1」の教育の本質を肌で感じ、自分の教育観をさらに深めたいです。 |
採用者の視点(惹かれたポイント)
・単なる「教員志望」ではなく、“外の教育現場”にも関心がある点が好印象だった。 ・学校と家庭教師、それぞれの役割の違いを考えようとしている姿勢が真剣だった。 ・実習経験や教育学部という背景からも、インターンを活かせると感じた。 |
ここで差がつく!企業に刺さる志望動機にする+αの工夫

他者と差がつく志望動機には、ちょっとした工夫が必要です。ここでは、その一例をご紹介します。
「企業への貢献」を意識する
志望動機では「自分が何を得たいか」だけでなく、「企業にどう貢献できるか」も伝えると好印象です。
例えば「今まで培ってきたプレゼン力を活かして、貴社の新規企画に積極的に関わりたい」といったように、自分の強みを企業活動にどう活かせるかを示すと、主体性や責任感が伝わります。インターンを“受け身の学び”ではなく、“相互に価値を生む場”と捉える姿勢が評価されるでしょう。
「インターン後の展望」まで言及する
インターンを通じて何を学びたいかに加えて、「学んだことを将来どう活かしたいか」まで書けると、志望動機に深みが増すでしょう。
例えば「実際の教育現場を体験することで、自分にとっての“理想の教育”を言語化し、将来の進路選択に活かしたい」など、未来を見据えた視点を盛り込むと、キャリア意識の高さや成長への意欲が伝わり、他の学生との差別化につながります。
オリジナルな体験談やエピソードを盛り込む
志望動機に個性や説得力を持たせるには、自分だけのエピソードを交えるのが効果的です。
例えば「高校時代に不登校の友人を支えた経験があり、誰かの成長を支える仕事に関心を持った」など、実体験に基づいた動機は、抽象的な表現よりも印象に残ります。成功体験だけでなく、失敗や気付きも含めると、人間らしさや誠実さが伝わるでしょう。
【Q&A】志望動機に関するよくある質問
最後に、よくある疑問や不安に対する回答をまとめましたので、それらをご紹介します。
- Q「バイト経験しかないけど、弱いですか?」
- A
結論から言うと、アルバイト経験でも十分にアピールできます。大切なのは「その経験から何を学んだか」「それをインターンでどう活かせるか」です。例えば「塾講師のアルバイトで、生徒ごとに教え方を変える工夫をした」などのエピソードは、教育への姿勢や柔軟性を伝える材料になるでしょう。たとえ業界と直結しない内容でも、責任感・協調性・改善力などが感じられるエピソードであれば、立派な志望動機の土台になります。
- Q「志望動機がうまく書けないときの対処法って…?」
- A
うまく書けない原因は、大きく「自己理解不足」と「企業理解不足」の2つです。まずは自分が何に興味を持っていて、どんな経験をしてきたかを振り返ってみましょう。そして、その興味と企業の特徴がどこでつながるのかを探してみてください。また、「何を得たいか(目的)」を先に考えると、構成もスムーズに決まりますよ。テンプレートに沿って組み立てていけば、自然と説得力のある志望動機になるはずです。
- Q「他社と同じ志望動機でもいいんでしょうか?」
- A
志望動機の一部が他社と似てしまうのは問題ありません。どの企業にも通じる「軸」や「成長意欲」は、むしろ一貫性として評価されることもあります。ただし、その企業ならではの情報や接点を盛り込む工夫は必要です。例えば「説明会で印象に残った社員の言葉」や「インターンのプログラム内容」など、具体的な共通点を示すことで、“他社とは違う”という説得力が生まれるでしょう。
まとめ
インターンシップの志望動機は、選考において非常に重要な要素です。自己分析や企業研究を丁寧に行い、「なぜその企業でインターンをしたいのか」「自分は何を得たいのか」を明確にしておきましょう。構成に沿って整理し、エピソードや熱意を加えることで、他の学生と差がつく文章になります。
本記事で紹介したポイントや例文を参考にしながら、自分だけの志望動機を作成してみてください。きっと自信を持って応募できるはずです。
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